Dwango Media Village(ドワンゴメディアヴィレッジ)として、 SIGGRAPH Asia 2018 に参加しました。SIGGRAPH Asia 2018は、12月4日~7日にかけて、東京の国際フォーラムにて行われた、コンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術に関するカンファレンスです。カンファレンスでは、カンファレンス二日目である5日から、企業や研究室等が参加できる展示会も開催されました。この記事では、Dwango Media Villageが展示した内容、カンファレンスの様子を紹介します。のちに続く記事に、聴講した研究のまとめ記事をアップする予定です。
Dwango Media Villageは企業ブースでポスターとデモ展示を行いました。
ポスターは、2種類用意しました。
一つは、今までのDMVが行ってきた研究・プロジェクトのサムネイルです。ポスターでは 画風変換 や、 画像特徴量などの大量かつ多次元ベクトルの高速クラスタリング などの今までの国際学会で採択された研究に加え、線画からの法線マップ推定、 声質変換 を一覧にしました。
プロジェクトには、本サイトでも公開しているイラストやコメントデータセットを公開している nico-opendata 、そして、つい先日リリースされた テクテクテクテク に加え、現在第二期が進行中の 競馬予測プロジェクト 、そして囲碁AIプロジェクトである DeepZenGO 、そして、オープンソースで公開されている2Dアニメーション制作ソフトウェアである OpenToonz を紹介しました。話をした方のリアクションで印象的だったのは、nico-opendataでイラストなどのデータを研究利用目的で配布していることと、ちょうど、テクテクテクテクをリリースしたばかりということもあり、DMVがゲームアプリのような開発と研究が結びつけようと試行錯誤していることを今回の展示を通して初めて知ったという方が多く、展示の甲斐がありました。
もう一つのポスターでは、二つの研究をピックアップしました。 3Dポーズ推定 と、 白黒漫画の自動着色 に関する研究です。
3Dポーズ推定の研究は、 OpenPose などを通して、3Dポーズ推定に関する研究が今、様々な業界の人々に注目されていることもあり、多くの議論をさせていただきました。応用の一つとして、既にCV勉強会にて発表を行った 3Dポーズ推定の結果を用いてモバイル端末上でキャラクタを動かす話 なども話題にさせていただきました。
白黒漫画に関する研究は、Technical Papersにて私たちの論文をリファー頂いた Two-stage sketch colorization の発表があったこともあり、有意義な議論をすることができました。この研究テーマも、業界の注目度の衰えを感じるどころか、まだまだ盛り上がっていくテーマだと感じました。
先日リリースされた ARTILIFEプロジェクト で用いている強化学習エンジンのデモ展示も行いました。
デモを見て立ち止まる方々は、 先日のツイート の影響か、「もしかしてこれは…」と話しかけてくださる方が多くいらっしゃいました。動いてる生命たちを見て、「奇妙な動き」、「可愛い」など評価する方もいて、人によって反応は様々でした。
会場では、来場された方に、実際にその場で生命同士を交配をさせ、名前をつけていたいただきました。そのほかにも、来場者は、人工生命の環境にフードや障害物を環境に投下し干渉することができました。今回の展示では、多くフード摂取したCreaturesのランキングを表示しました。このランキング機能は、リリースされているアプリには入っていませんが、名前をつけて新しい生命を生んでくださった方が、数時間後や翌日に様子を見に来ていただけることなどもありました。ARTILIFEのアプリでは、アプリ単体でそのままニコニコ生放送をすることができたりする等、他にも展示中では紹介できなかった機能もあります。是非多くの方に触れていただければ幸いです。
今年のSIGGRAPH Asiaは、珍しく東京という近場で開催されたことがあり、多くの日本の企業、学生の方が参加されていたことが印象的でした。これからもDwango Media Villageでは、研究・開発両方をSIGGRAPHのような大きなカンファレンスで発表できるよう、精進して参りますので今後とも宜しくお願い致します。
参加者が聴講した研究のまとめ記事はこの後に続きます!